Labo Land

こんにちは、五月祭映画で医学部マンを担当したMr. Kです。

この映画は、体調を崩した主人公を医学部マンが見つけ、医学部研究室で治してもらおうとするストーリーです。また、大人気のあの人も登場します。

 

皆さんには、この映画を二つの視点から見てほしいと思っています。

 

一つは、医学部にはどんな研究室があるのかを、この機会に知ってほしいと思います。医学部には、病気そのものの研究だけでなく、生命の仕組みを解き明かす研究も沢山行われています。そして、生命の仕組みを解き明かす研究も、最終的には医学的成果を上げています。

 

もう一つは、出演者の立場から考えてみてください。私は、この映画撮影で全身白タイツを初めて穿きました。また、紙皿を使ったお面は、前が見えないので、たくさん足をぶつけています。それでも、誰かがこの役をやらなければ、映画は成り立ちません。世界は誰かの仕事できている。

鉄門ピアノの会 もっとピアノ曲と親しむために 〜“手”から見る作曲家〜 ②

前回の記事に引き続き、ピアニストの”手”について紹介していきます。

 

(ⅲ)ラフマニノフと“手”

モスクワ音楽院にてスクリャービンの同級生でもあったラフマニノフは、1873年にロシア北西部のノヴゴロド州で、貴族の家系のもとに生まれました。当初不真面目であったラフマニノフ少年ですが徐々に音楽家としての才能を開花させ、遂にモスクワ音楽院を首席にて卒業します(スクリャービンは次点)。高い演奏能力を誇ったラフマニノフですが、その理由の一つとしては手の大きさが挙げられます。その手の大きさはというと、手を広げることで13度 を押さえることができた(右手親指で“ド”を抑えながら、小指ではオクターブを超えて“ラ”まで届く計算になります)とのことなので本当に驚かされます。そんな人間離れした手を持ったラフマニノフは作曲活動にもその特徴を生かしており、重厚な和音を多用した作品を多く世に送り出しています。浅田真央がスケーティングに使用した前奏曲「鐘」はとても有名です。

さて、彼の大きい手は体質によるものだったのでしょうか。ある研究結果によると彼は、Marfan症候群であったのではないかと言われています。Marfan症候群は3000〜5000人に1人発症する遺伝子疾患であり、長い手足やクモ指(見た目がクモに似ている細長い指)を呈し、目の水晶体や心血管系の異常をもたらすことがある希少疾患です。真偽の程は明らかではありませんが、このような疾患が逆に彼を偉大な音楽家、ラフマニノフたらしめたと考えると、とても興味深いですね。

 

(ⅳ)ゴドフスキーと“手”

筆者が個人的に好きな作曲家です。ゴドフスキーは1870年にポーランドで医師の父親のもと生まれました。スクリャービンやラフマニノフのようにしっかりとした音楽教育を受けた訳ではなく、一流のピアニストであったかについても意見が分かれるところではありますが、ゴドフスキーの真骨頂は何といっても既存のピアノ作品の編曲です。彼の代表作品としては「ショパンの練習曲に基づく53の練習曲」が挙げられ、この作品は、かの有名なショパンによるエチュード(練習曲)の編曲によるものであり、(スクリャービンにも通ずる所がありますが)主に左手の技術向上を目的としています。例を挙げると、エチュードOp.10-6を編曲した作品 はもともと両手で演奏する曲ですが、ゴドフスキーは左手だけでの演奏求めるように編曲をしています。聴き比べて頂ければわかりますが、作品全体の完成度は原曲をも凌駕します。

ゴドフスキーは他には“異なる曲同士の旋律を組み合わせた”編曲なども手がけており、編曲方法についても賛否両論あるのは事実です。しかし彼の功績は、左手のみならず、演奏における人間の手の可能性を、編曲活動を通して広げてみせたという所にあるのではないでしょうか。

 

ここまで簡単ではありますが“手”に焦点を当てて、3人の音楽家について見てきました。筆者自身も勉強中ですが、たまにはいつもと違ったこのような視点から音楽を捉えてみるのも面白いと思います。本記事、そして鉄門ピアノの会の演奏会にて、皆様がお気に入りの音楽との邂逅を果たせることを祈って。

去年の演奏会にて

 

 

~References~

1 Eckart Altenmüller. Alexander Scriabin: his chronic right-hand pain and Its impact on his piano compositions. Prog Brain Res. 2015;216:197-215

2 D A Young. Rachmaninov and Marfan’s syndrome. Br Med J. 1986 Dec20; 293(6562): 1624-1626

3 福井次矢、黒川清(2013)『ハリソン内科学 第4版』MEDSi

4 「ピティナ・ピアノ曲事典」〈http://www.piano.or.jp/enc/〉

 

去年の記事(大沢)より引用

医学部映画  “Labo Land”

映画撮影とかけまして、アロンアルファと解きます。
そのこころは、
そう簡単にはとれません。

こんにちは、映画企画責任者の中島です。
空はこんなに青いのに、映画メンバーは缶詰ばかりです。
映画館より映画缶な日々はきっと五月のせいだ。May be.

さて、ブログをお読みの皆様は東大の研究室にいらしたことはありますでしょうか?
普通はないですよね…。
なんだか難しそうで、怖そうで、関係ない世界のお話のような…?

いえいえ、心配ご無用です。
今年の映画では、我らがヒーロー「医学部マン」と一緒に楽しく研究室を回りましょう!
素敵な12研究室の先生方が、最先端の研究について教えてくださいます。
透明マウスやオートファジー、遺伝子変異に心のケア。
この映画は、いわゆるお医者さんのイメージがある臨床医学研究ではなく、それ以外の基礎医学や社会医学にスポットを当てて作られています。

その一方で怪しい手下に捕まったり、あの二人がクイズで戦ったり、果ては東大で踊りだしたり…?
あの偉い先生がとってもノリノリだったり…?
お勉強になるだけでは終わらせません。

制作スタッフ40人、取材の勇気は無限大。
どんなテレビ局にも制作できないサイエンスコメディが小講堂でお待ちしております。
君も東大医学部で医学部マンとあくしゅ!
(この物語はフィクションです)

そういえばアロンアルファって、東大医学部の手術で利用されたことで商品化したらしいですね。
もともとは医療用接着剤だったとのこと。
先輩に敬意を表して、もうひとつ。

アロンアルファとかけまして、五月祭の仲間と解きます。
そのこころは、
ひとり(alone)に何か(+α)を足してくれるでしょう。

室内楽の会♫

こんにちは! 鉄門室内楽の会のM2の田村です。

早速ですが、室内楽って何だか分かりますか? よく初対面の人に「室内楽部です!」というと、キョトンとされます。音楽のジャンルとしての室内楽は、英語でそのままchamber musicといいます。ブリタニカ百科事典によりますと、このchamberは特定の空間を指しているわけでなく、小さな空間、自分が気兼ねなく過ごせる人たちだけと共有する「近しい空間」という象徴的な意味合いが込められているようです。

そして今年の五月祭、そのchamberは本館大講堂と本館前のカフェになります! 例年はベートーベンからビートルズ、ジブリまで、バラエティーに満ち溢れた曲をお届けしております。来て頂く人たちが少しでも居心地の良い時間を過ごせるように、また音楽に近しさを持って頂けるように工夫を重ねておりますので、是非お立ち寄りください♪
ところで皆さんは過去に想いを馳せるとき、その時よく聴いていた曲がふっと頭をよぎることはありますか? ある人にとっては、それは高校の駅伝大会に向けて走っていた時に聴いていたアブリルかもしれませんし、別の人にとっては、小学校の頃の憧れの先輩が弾いていたチャイコフスキーかもしれません。はたまた冬場いつも同じ時間に流れてくる、石焼き芋の歌(?)かもしれません。

こうした曲を久しぶりに聴いた時に、曲を通して過去を振り返ることが出来るとともに、もう一度フレッシュな状態でその曲を楽しめ、そして今の自分の気持ちの変化や感動が、新しく記憶と曲とに定着するような気がします。こうして沢山の思い出を詰め込んだ曲は、いわば私たちの軌跡をある方向から捉えた像となって、他の曲の描く像と交わって、私自身の軌跡そのものを示唆する様な気がします? なんかよく分からない話ですね。そろそろ辞めます。

兎に角、皆さんの記憶に定着させるとまでは行かなくとも、ふっと浮かんでくるような演奏を出来たらと思います。是非、お越しください。

カフェ企画② 健康食品のウソ・ホント

こんにちは!五月祭カフェ担当の森川です。

 

今年の医学部カフェ「Salute!」は「おしゃれでちょっぴり体に良いこと」をコンセプトに、準備を進めています。皆さんは日頃、「体に良いこと」してますか?

 

「体に良いこと」といえば、「○○を食べると△△に良い」などと、特定の健康食品が注目を集めることもよくありますね。薬局に行けば、あらゆる栄養素のサプリメント類がずらりと並んでいます。

 

しかし、お金を使ってこうした健康食品・サプリメントを摂取すれば、本当に健康になれるでしょうか?

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鉄門ピアノの会 もっとピアノ曲と親しむために 〜“手”から見る作曲家〜①

鉄門ピアノの会の会長の長尾一樹です。鉄門ピアノの会は、現役の医学部医学科生とOBOGによるピアノサークルです。恒例の五月祭演奏会を今年も開催致します。

521()開場9時15 演奏会9時30分14時30分
医学部本館3 大講堂

医学部企画の展示をご覧になられた皆様、またイベントにご参加された皆様、アマチュアピアニストの心地の良い音色に耳を傾け、ほっと一息つきませんか?お気軽にお越しください。

 

本サークルにはピアノ好きが多く集まっており、演奏会では各々が思い思いの曲を演奏するため、演奏される作曲家も多岐に及びます。その中には皆様が普段なかなか耳にしない作曲家も多いかもしれません。「有名なピアノ曲は知っているけど、他の曲になるとちょっと…」という方にもこれからクラシックのピアノ曲に親しんでいただく一助となることを願って、去年の記事から「“手”から見る作曲家」という話を引用させていただきます。

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導入企画「『人を治す』を問い直す」①

「プロジェクトH」副代表で、導入企画担当の及川です。

この「導入企画」では、「プロジェクトH」全体の導入として、現代の医療が抱える問題点を扱います。

 

☆「導入企画」って何?

 

企画の具体的な説明に入る前に、どうして「導入企画」が必要なのか、なぜこんな企画構成になったのか、という経緯を記しておきたいと思います。

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カフェ企画①はじめまして!五月祭医学部カフェの紹介です。

こんにちは!五月祭カフェ担当の森川です。

今年の医学部カフェ「Salute!」は、パリのオープンカフェをモチーフに、五月祭史上最大規模のお洒落で優雅な時間をお届けすべく準備を進めています。

今回は、現在開発中の五月祭オリジナルドリンクについて、少しだけご紹介したいと思います!

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対応企画「優しさでこたえる」① 研究室訪問録(東京大学 大学院医学系研究科 細胞情報学教室・間野博行先生)

医学部本館3F企画「優しさでこたえる」の吉岡です。

4月に入り、新入生の輝いた目に自らの老いを感じるとともに、もう来月五月祭だなあ間に合うのかなあと焦りながら日々準備に勤しんでいます。この企画では2F企画「人を治すを問い直す」で提起された現在の医療の問題点に対し、患者さんの負担を減らせるようなHumanらしいHeal(治療・癒し)の在り方で「答える・応える」にはどうすればよいか、をさまざまなコンテンツを通して皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。
薬の副作用を減らすことも1つの「こたえ」なんじゃないか?と考えた私たちは、分子標的薬とよばれる従来型のものとは異なる抗がん剤の研究を行っている東京大学大学院医学系研究科細胞情報学分野・間野博行先生にお話を伺いました。以下インタビュアーの大森さんにバトンタッチして訪問録を書いてもらいました。


対応企画「優しさでこたえる」のメンバーの大森です。“対応”、“こたえる”という言葉があるからには何か“疑問”などの前提があることはお分かりになるでしょう。

 

ではその“疑問”とやらは何か?

 

それが今年の五月祭の一つのメインとなっている「人を治すを問い直す」という事です。医療の発展が目まぐるしい現在、今まで治らなかった病気も治せるようになってきました。しかし、その一方で大きな事をしようとすればそれだけリスクも高まりうるのが現実です。

 

例えば抗がん剤。

抗がん剤の開発によってがんを小さくしたり、治したりすることができるようになりました。しかし、その一方で吐き気や脱毛などといったかなり辛い副作用に苦しまなければならなくなるのもまた事実です。しかもそのような副作用に苦しんだからといって必ずしもがんが治るとは限らず、ましてや副作用で亡くなる方もいるほどです。

 

そのような状況をもっと良くしていく事はできないか、それを元に生まれたのが今回の企画です。

 

今回、お話を伺った東京大学 大学院医学系研究科 細胞情報学分野教授の間野博行先生は、がん遺伝子研究の第一人者であり、がん治療の質の向上のために尽力していらっしゃいます。

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